ー製材所社屋を建てる@十勝ー
2021年10月14日
十勝郡浦幌町で製材所社屋の建前が始まりました。建て主さんが送ってくれたこの写真は二日前のもの。もう、野地板張って断熱材を入れてるころかな。


ー製材所社屋を建てる@十勝ー
2021年10月14日
十勝郡浦幌町で製材所社屋の建前が始まりました。建て主さんが送ってくれたこの写真は二日前のもの。もう、野地板張って断熱材を入れてるころかな。


ー製材所社屋を建てる@十勝ー
2021年9月30日
新社屋で使われる断熱材は、自社製造のチップからつくります。
こちらはチップ工場の様子。以前、新社屋に使う外壁材について書いたときにも登場しました。

実際にチップになるとこんな具合になります。

これを苫小牧にあるウッドファイバー社の工場へ運んで繊維状に加工したのがこちら。

この繊維を成型して断熱材にすると、こうなります。

ー製材所社屋を建てる@十勝ー
2021年7月29日
地鎮祭が執り行われました。いよいよ着工。まずは基礎をつくるところから。



作業場には製材を終えたカラマツの柱や梁が並んでいました。尺梁と六寸角の柱が芯持ち材、それ以外は芯去り材。色味、艶、触れた感じ、乾燥の具合。じっと見てると、あの山からここまできたのかあと思わずにはいられません。


柱の木口には、プレーナー掛け(修正挽き)する前に大工が読みとった木の癖が記録されています。プレーナー掛けをして癖をとったあとも同じように動くので、この情報を頭に入れながら、一本一本、どこにどれを使うか考え、番付を振っていくそうです。

ー製材所社屋を建てる@十勝ー
2021年4月27日
これは製材所内にあるチップ工場の様子です。



山から出てきた原木が土場に置かれています。種類も太さもいろいろな雑木が混ぜこぜですが、よく見ると、右奥のほうに結構な太さの広葉樹もあります。原木を粉砕してつくられるチップは、製紙原料やバイオマス発電などに利用され、その利用は比較的短命なものです。特にバイオマス発電の燃料は燃やしてしまえばそれでオシマイなので、本来、間伐材の利用を前提にしていたはずですが、実状は、大径木も含め、十把ひとからげで山から出てきて、チップに製造されているのは全国的に特別なことではないようです。


雑木の山を、宝の山に。
「これを毎日見ていると、感覚がおかしくなる。」木下林業の木下さんは言います。原木に見合う、価値のある使い方を模索し、いまでは壁材や床材を製造しています。簡単そうですが、流通の大勢と異なることを単独で実行するのは、言うは易し、行うは難し、です。
ならばと、大工の木村さんと私は広葉樹(ナラ)を外壁に使うことを提案しました。現在、そのための準備が進められています。張り方は目板張り。板巾は3種類のランダム。木下さんが作ってくれたサンプルを見ながらひとつひとつ確認をしています。


こちらが、外壁用の板をとる原木たち。


風雪に耐え、経年変化を積み重ねた外壁の姿を想像すると、楽しみで仕方がありません。
―製材所社屋を建てる@十勝―
2021年4月27日
2月に伐採したカラマツを製材しています。
十勝の主要な造林樹種はカラマツですが、一般的には心持ち材が使われています。
カラマツの心持ち材を中低温で乾燥すると、表面割れが無数に入り、また、捻じれも大きく、建材としての利用は難しいため、高温で乾燥して柱や梁をつくっています。しかし、心去り材であれば、高温で乾燥しなくても表面割れは発生せず、捻じれも抑制できるため、中温で乾燥させることができます。 そこで、このプロジェクトでは主に心去り材を使うことにしました。中温乾燥を選択する理由は、乾燥時の熱が高温であるほど木へのダメージが大きいのですが、それをできるだけ少なくするためです。
心去り材は小径木ではとれません。なので、このプロジェクトは、心去り材をとれる太さの木が生えている山を選定するところから始まっています。 そして、今、木を挽くところまで進んできました。一発勝負なので、見ている私は結構張りつめていましたが、実際に挽いている作業員の方たちは、淡々と作業を進めているように見えます。十勝では、シングルバンドソーでこうした製材のできる製材所はこの木下林業だけだそうです。
挽き終えた材は乾燥を担当する瀬上製材所へ持ち込まれ、乾燥機に入れられます。中温での乾燥期間は12日間ほど。(高温の場合は10日間程度)120角柱用の製材は138角に挽かれます。乾燥後の修正を見込んで割り出された寸法とのことです。乾燥にムラが無いよう、300mmピッチで桟を並べながら材を積み上げていきます。
どんな仕上がりになるか楽しみです。